断熱、実は快適と健康を考えること

家族の健康を考えることは、快適な家づくりを考えること。
快適な家づくりを考えることは、実は、断熱性能を考えることだったのです。

断熱とは動かない空気の層をつくること

健康に過ごせる室温は?

イギリスでは、健康に過ごせる室温を21℃として推奨しており、18℃までが許容できる室温だとしています。16℃未満になると呼吸器系の疾患に悪影響があり、 12℃以下では血圧や心臓・血管の疾患の危険が高まるとしています。日本では、最低室温が10℃以下になる家も珍しくはありませんが、イギリスの指標で見ると「低体温症を起こす」ほど危険な寒さなのです。

窓が低断熱な家は、夏暑くて冬寒い

【熱の流入出比率】解析No:00033
●使用ソフト:AE-Sim/Heat(建築の温熱環境シミュレーションプログラム)/(株)建築環境ソリューションズ●気象データ:「拡張アメダス気象データ」2010年版 標準年/(一社)日本建築学会●住宅モデル:2階建て/延床面積120.08㎡/開口部面積32.2㎡(4 ~ 8地域)「2013年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説Ⅱ住宅」標準住戸のプラン●躯体:2016年省エネルギー基準レベル相当●窓種:アルミサッシ(複層ガラスA8未満)

熱の出入りが最も多いのは「窓」

冬に流出する熱の割合は、アルミ窓(複層ガラス)から樹脂窓(Low-E複層ガラス)に変えることで、50%から20%へ約6割も削減できます。家の性能は、効果の大きい窓の性能から考え始めましょう。

断熱グレードと家の燃費のはなし

家の燃費ってなんでしょうか?クルマの燃費はみなさん気になると思いますが、家の燃費を気にしたことはありますか?家は家全体で使用するエネルギーの1/3を暖房が占めるため、暖房に関する燃費は光熱費に直結します。また冷房よりも暖房は10倍のコストがかかることは実はあまり知られていないかもしれません。

断熱性能と室温・冷暖房費の関係

建築の温熱環境シミュレーションプログラム(AE-Sim/Heat)・エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)
Ver2.5.4によるシミュレーション結果。(省エネ基準地域区分:6地域)

このグラフは築45年の建物を断熱等級6にリノベーションした場合のシミュレーションの結果を表しています。 リノベーション前はリビング・ダイニングが8度まで下がっていますが、リノベーション後は16.4度に保たれる結果となりました。 また、右側のグラフの通り、 冷暖房費もリノベーションの前後で約4割ほど削減できるのです。

冬、エアコンをより効率化するのが断熱住宅です

電気料金に大きく影響を与える冷暖房費。エアコンの燃費は、ここ50年間で大幅に向上しましたが、現在でも市場のエアコンの畳数設定は1964年の「無断熱住宅」想定で、定格の暖房能力や冷房能力自体は50年前と同じままです。断熱性能の高い断熱等級6(HEAT20 G2)レベルの断熱性能住宅なら、暖房では実際の畳数の半分以下の畳数表示のエアコンで問題なく暖まり、冷房も西面窓の日射遮蔽を行えば、畳数表示が数ランク小さいエアコンにすることが可能です。断熱性能が高い住宅では、ランニングコストの冷暖房費だけでなく、エアコンのイニシャルコストも抑えることができるのです。

断熱・気密性能どうやって判断するの?

家の断熱性能は外皮平均熱貫流率(UA値)で表され、値が少ないほど熱の漏れが少なく高断熱です。建築物の各部位の面積と熱の通しやすさに基づいて計算されます。気密性能は相当隙間面積(C値)で表され、値が小さいほど空気の出入りが少ない高気密となります。気密測定器により計測する必要があります。

熱の出入りをカットする

UA値:外皮平均熱貫流率[W(/ ㎡・K)]

UA値とは、室内から床や外壁、開口部などを通過して室外に逃げる熱量を外皮全体で平均した値です。建築物の各部位の面積と熱の通しやすさに基づいて計算されます。熱ロスが小さいほど室内が暖かく暖房費も安くなるので、断熱を強化してなるべくUA値を小さくすることが大切です。

すきま風をカットする

C値:相当隙間積[㎠/㎡]

C値とは、計算床面積1㎡あたりの建物外皮の隙間の量を示す値です。C値が小さいほど隙間の面積が小さくなり、高気密になります。隙間の程度は現場の施工精度によって決まるので、C値を知るには気密測定器により計測する必要があります。

断熱性能のグレード

日本の国は南北に長いので、国は8つの地域に区分して、寒さの度合いに応じて基準を設定しています。1980年以前には基準も無かったため、夏暑く冬はとても寒い無断熱に近い状況の建物も多いのです。そして、これまではこれらの基準は、義務ではなかったため、普及が遅れました。ようやく2025年から断熱等級4が、新築住宅で義務化される予定ですが、この基準は20年以上昔につくられた基準のため、現在では高断熱とは言えません。今後は、2022年10月に施行される予定の等級6と7のように、より高い断熱レベルを目指すことが求められます。

断熱と気密の関係を熱画像で検証

室内側の壁内をあらわした模型を用意しました。左右に同じ断熱処理を行い、左側には気密処理を行わず、右側にだけに気密材を使用して気密処理をしています。裏側から壁内(模型)に冷気を送り込み、断熱性能が発揮できているのか熱画像の色の変化をみて検証します。

漏気により壁の中の空気が動いている状態では、断熱材による保温効果は得られません。いくら断熱材を厚くしても、意味を成さないということです。断熱効果を発揮させるためにも「すきま」をなくすこと、すなわち「気密」が重要なのです。

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